トップ > PRICE > 北海道リネンのハンカチ
■種を蒔くところから、自分の手で。
(取材・文/立田栞那 スロウ75号掲載)
初夏に淡いブルーの花を咲かせる亜麻。あまり広く知られてはいませんが、実は北海道が栽培適地。繊維は「麻(リネン)」の材料になる植物です。工房亜麻音の小野田由美さんは、亜麻の栽培から糸を紡ぎ、織り上げるところまでを一人で手がける作り手です。この春の新作は、さらりと軽やかな風合いのハンカチ。種を蒔くところから、「一から十まで」手づくりした北海道産リネンです。
小野田さんがこの世界に足を踏み入れたきっかけは、羊毛でした。「糸を紡ぐという工程が楽しくて」、ホームスパン講座に6年間通い続ける中、興味は次第にその前工程へ。「自分で育てた素材で糸を紡いだら楽しいだろうな」。羊はすぐに飼えないけれど、植物なら育てられそうだと考え、ベランダで綿花(和綿)と亜麻を育ててみました。「北海道の気候では寒すぎて、綿花はだめでした。でも亜麻は、放ったらかしでもよく育ったんです」。
かつては、国策により道内各地で栽培された歴史を持つ亜麻。「やっぱり亜麻は、北海道の気候に合っているんだ」。そう実感できた小野田さんの亜麻への興味は膨らみ、2010年には貸農園の約4・5坪の畑で亜麻の栽培を開始。その後、一軒家に引っ越し、住宅の横にあった100坪ほどの荒地に亜麻を植えるまでに至ったのでした。
春に種を蒔いたら、水やりはお天道様任せ。初夏に花が咲き、実を結んだ後、茎から繊維を分けてもらって。北海道のさらっとした空気のような風合いのリネンが出来上がります。
糸紡ぎは一番時間のかかる大変作業ですが、小野田さんにとっては「一日中やっても飽きない」と言うほど大好きな作業です。「糸が貴重なので、縦糸と横糸、どちらかを手紡ぎのものに、もう一方は市販のものを使うというやり方もあります。でも私はせっかく自分で作っているのだから、100%北海道産の手紡ぎ糸にこだわりたくて」。
使い込み、何度も洗うほどに徐々に柔らかくなるリネン。吸水性がよくすぐに乾くので、ハンカチとしての使い勝手も抜群です。ポケットやバッグの中で手に触れるたび、さらっとした手触りに心地良い気持ちに包まれます。
■商品紹介
糸の細さや色が微妙に異なる糸が合わさって、布の表情は豊かに。亜麻本来の色味の「ナチュラル」と、横糸に亜麻の糸を藍染めしたものを使った「ナチュラル×藍」の2色展開です。
布を織るときの残り糸を組紐に活用した「亜麻こけし」をオプションでセット販売します。
■作り手 工房亜麻音 小野田由美さん(岩見沢市)
岩見沢市・栗沢にある工房で、亜麻を栽培するところから糸を紡ぎ、布に織るところまでをひとりで手がけています。
■商品詳細
商品サイズ: 縦約23cm×横約23cm
こけし:本体(縦2cm×横1cm)・組紐(長さ20cm)
※手づくり品のため、掲載写真とは多少異なる場合があります。
■クリックポスト発送(常温)
5点まで同一の送料でお届けします。
■お届けまでの時間目安
ご入金確認後4営業日で発送予定。
■熨斗
対応不可