トップ > GOODS > 衣料品 > 採色兼美の薄鈍月白タオルマフラー
■植物×金属で染まる独自の色合い。
(文・立田栞那/スロウ71号掲載)
イタドリは柔らかな黄色、アオダモは可憐な青紫色、そして白樺は淡い桜色。素朴で野性味のある草木染めとはまた違う、可憐な美しさ。この色合いを作り出すのが、採色兼美の寺田真治さんです。
寺田さんが作り出す色の秘訣は、「金属」にあります。草木染めとは、植物から色素を取り出し、染料として繊維を染めるもの。しかし、大抵の場合はただ繊維を染料に浸してもなかなか色が付きません。そこで必要になるのが、繊維と色素を結び付ける役割を担う「媒染剤」。媒染剤に含まれる鉄やアルミニウム、銅などの金属イオンと色素が結合し、繊維に定着するという仕組み。昔から、媒染剤として灰(アルミを含む)や土(鉄分を含む)が使われていたそうで、植物と金属を組み合わせること自体は古くから一般的に行われてきた手法のようです。
■白樺樹皮と灰から生まれた唯一の色。
寺田さんが着目したのは、故郷である下川町の木質バイオマスボイラーの灰。2020年、クラウドファンディングで材料費や研究費の一部資金を得た後、寺田さんは染色事業を本格的にスタートさせました。ブランド名は、「山から色を採り、染めで美を兼ねる」というコンセプトのもと、採色兼美に決定。灰から金属を取り出す方法もついに確立。2021年5月、「木質バイオマスボイラーの灰を使う独自製法」で特許を取得しました。
(写真上/「御所染薄桜」のタオルマフラーです)
そんな独自の製法から生まれた色が、「御所染薄桜」。白樺樹皮を煮出した染液に、木質バイオマスボイラーの灰から取り出した金属を組み合わせることで、繊維が淡いピンク色に染まります。白樺樹皮を使ってこの色を出せたのは、日本でも初めてのことだそう。
■草木染めを通して、森の循環を。
森で生まれたものを、森へ還したい。そんな思いから始まった採色兼備の染めもの。現在染色のラインアップは、「御所染薄桜」を含めて全部で19種類になりました。いずれも和の名前が付けられています。「日本人ならではの表現をしたくて。たとえば『御所染薄桜』は、御所染(淡く渋い紅色)と薄桜(薄い桜色)という2つの色の名前を重ねて作った言葉です。ピンク色という単語では伝わらない、微妙なニュアンスが伝わるんじゃないかなと」。寺田さんの本業はデザイナー。色の分析や表現など、「色を扱う仕事をしてきたからこそ、できることがある」と思ったのも、染色事業に取り組むきっかけの一つでした。
■採色兼美のタオルマフラーをお届けします。
今回は、白樺樹皮を使った「御所染薄桜」のほか、イタドリを使った「藤黄山吹」、アオダモの樹皮を使った「薄鈍月白」の3色をお届けします。自然由来の染料を使っているため、時間の経過と共に色が褪せていきます。色や風合いの変化を楽しみながらご使用ください。
※木質バイオマスボイラーの灰が使われているのは、「御所染薄桜」のみです。
■薄鈍月白(うすにびけっぱく):釧路産アオダモの樹皮と銅で染めた可憐な青紫色。涼しげな装いに。
■作り手 採色兼備 寺田 真治さん(下川町)
下川町出身。札幌や東京でグラフィックデザインの仕事を経て、2016年にUターン。寺田デザイン事務所を設立。グラフィックデザイナーとして働く傍ら、採色兼美としての活動に取り組んでいます。
■商品詳細
(写真上/いずれもタグが付いています)
商品サイズ: 縦29cm×横160cm
商品素材: 日本製(泉州産・大阪府南部)綿100%
備考:
※4個限定、10月下旬までの販売です。
使用上の注意
・洗濯は水温の限度40℃とし手洗いで。
・乾かす際は、自然乾燥で。日陰につり干し推奨。
・酵素系及び酵素系漂白剤の使用不可。
・アイロン、ドライクリーニングの使用不可。
■レターパックプラス発送(常温)
ギフト包装希望の場合は、備考欄にご記入ください。ブランド名が入った包装紙に包んでお届けします。
■お届けまでの時間目安
ご入金確認後7営業日で発送予定。
※在庫がない場合、時間をいただくことがあります。
■熨斗
対応不可