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■日常の中に小さな灯りを 櫻井芳枝さんの青のキャンドル
(文・立田栞那/スロウ71号掲載)
キャンドル作家の櫻井芳枝さんが最初に本誌に登場してくれたのは、2010年に発行された本誌22号でのこと。あれから12年。気が付けば、すっかり長いお付き合いとなりました。
由仁町の工房兼ギャラリーを訪ねたり、コラボ作品の相談をさせていただいたり。櫻井さんが手がけるキャンドルを、いくつ見てきたことでしょう。代表作「白樺キャンドル」のような素朴な雰囲気のもの、さりげない銀色のラインがあしらわれたもの、中にキューブが入った表情豊かなもの。それぞれに個性はあるけれど、全体のデザインはいたってシンプル。たくさん並んでいても、不思議な落ち着きを感じるのです。
生命力にあふれる春、櫻井さんから届いたのは、地球を思わせる丸いキャンドル。「今の季節に良く合う色を使って作ってみました。テーマやモチーフを決めているわけではないので、自由に想像してもらえたら」とは、櫻井さん。
そう言われて改めてじっくりと眺めてみると、春から初夏へ向かう時期の空の青さや、芽吹いたばかりの若葉の緑が表現されているようにも感じます。火を灯してみると、内側から光が漏れ出して、夕日に照らされた海や湖のような揺らめきが。波の音が聞こえてくるような穏やかさを感じます。眺めているうちに、夏の夜にベランダで使ったり、キャンプへ持って行くのもいいなぁなんて、想像を膨らませてしまいました。
「使ってこそ」のキャンドルを。
キャンドルについて語るとき、櫻井さんが必ずと言っていいほど伝えてくれるのは、「使ってこそ」のキャンドルの魅力です。東京で会社勤めをしていた頃から、キャンドルを使うことが大好きだった櫻井さん。「そんなに好きなら、自分で作ってみればいいじゃない」という友人のひと言に背中を押されて、キャンドルづくりを始めました。
シンプルなデザインに行き着いたのも、「使うのが好き」という気持ちで始めたことだから。「可愛い形だったり、顔が付いていたりすると溶かしたくなくなっちゃうでしょう?」。何とも櫻井さんらしい理由です。
さらに「できるだけ長い時間、その魅力を味わってほしい」からと、キャンドル自体にも工夫が施されています。大きいものなら3時間経っても1cmほどしか溶けず、時間をかけて楽しむことができます。芯にロウを染み込ませてあることも、長く燃え続ける秘訣の一つです。もしも飾っている間に埃を被ってしまったら、布やスポンジを使って優しく洗ってください。ただし、冷水だとひびが入る可能性があるので、ぬるま湯で。
「特別な日に限らなくていい。特別な料理も、特別なスペースもいりません。大事に仕舞い込んでしまわずに、いつでも手の届くところに置いておいて」。
素敵なデザインのものに出合うと、つい使うのがもったいなく感じてしまいがちですが、キャンドルが真価を発揮するのは、やはり火を灯した時。櫻井さんのキャンドルを使ううちに、自然とそう思えるようになりました。新しいキャンドルを前に「火を点したらどんな表情になるんだろう」と考えるのはわくわくしますし、なんだか心が疲れた夜に、「家に帰ったら、キャンドルを灯してのんびりしよう」と考えるだけで、心が落ち着いたり。小さく揺らめく炎は、想像以上の力を与えてくれます。
「たとえ5分でもキャンドルを灯すと、時間がゆっくりと感じられるんです」。お守りのように、いつでも手の届くところに置いて。「使ってこそ」の魅力に触れてみてくださいね。
■作り手 櫻井芳枝さん(由仁町)
由仁町でキャンドルショップKOKOを営む櫻井芳枝さん。自宅では、いくつもの燭台に灯したキャンドルと、猫や犬と共に過ごしているそうです。
■商品紹介
(写真上/青のキャンドルは、大・中・小の3サイズ展開です)
※このページは青のキャンドル(中)の購入ページです。
商品サイズ: 直径約8cm
備考:
※手づくり品のため、掲載写真とは多少異なる場合があります。
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