■動物たちの息づかいまで聞こえてきそう
(スロウ68号掲載)
逸見茂樹さんの真鍮作品を見る度に、感嘆のため息が漏れてしまいます。薄い板から丁寧に切り出されたモチーフの繊細なこと。とりわけ動物をモチーフにしたものには、今にも動き出しそうな気配があるのです。デフォルメされていても、その動物の特徴がよく表現されています。
「動物をモチーフにするときは、できるだけ動物園などで実物の動きや表情、雰囲気を感じ取ってから、図鑑などを参考に下絵を描いて、加工できるようデザインを整えています」と逸見さん。線を省略し、一方で強調することで、「その動物らしさ」を追求しているのです。
ブローチの表面には、たがねを使って微細な凹凸が施されています。これは「強度を高めつつ作品の表情を出すため」の仕上げ。ヒグマのゴワゴワした硬い毛並みや、鮭の鱗が日の光にきらめく様を彷彿とさせます。このディテール、動物好きにはたまりません。
真鍮は5円玉にも使われる身近な素材。けれど、どちらかといえば脇役として扱われてきた素材のようです。たとえば建具や家具の部品など。そんな風に、決して派手ではないけれど温かな存在感をまとった真鍮という素材に惹かれて、現在の闇月創房があります。
使い込むほどに、色に深みが加わっていきます。もし錆びてしまっても、磨くことで本来の姿を取り戻せるのでご安心を。「気がついたら、何十年も一緒にいる。そんな存在でありたい」。逸見さんが話してくれたように、持ち主の時間に寄り添ってくれる相棒のような存在になってくれることでしょう。
■作り手 闇月創房(札幌市)
闇月創房という一風変わった名前は、「20年くらい前に、降りてきた」というもの。闇月とは「闇夜の月」、つまり新月のことを指し、「そこに確かにあるんだけれど、目にすることはできない。どんな作品も、ひとつ作ったらまたゼロからのスタートっていう意味で名づけました」。また、「創造しながら作る」という強い意志を込めて、「工房」ではなくあえて「創房」に。
逸見さんの作品たちが放つ、静かで温かな存在感は、逸見さん自身の思いによって形づくられているのです。
■商品詳細 ピンブローチ シマエナガ
写真上/ピンと立った尾羽を、襟元やバッグの口から飛び出させても可愛く決まります。
写真上/ジッパー付きケースでお届け。防湿性にすぐれ、酸化防止効果を期待できます。台紙の色は選べません。
写真上/ピンブローチタイプです。
商品サイズ:縦約2.5×横約2.5×高さ約1.3cm
商品素材:真鍮
備考:台紙の色は選べません。
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発注から2週間ほどで発送予定。
■熨斗
対応不可