■高く美しく澄んだ北海道の空に思い馳せ
(スロウ67号掲載)
東川町にある早見さんのギャラリーを訪ね、天井に、壁に、棚の上にさまざまな木の動物が舞っている様子を見て、真っ先に脳裏に浮かんだイメージ。それは、どこまでも澄んだ北海道の空でした。
写真上/ギャラリー内は圧巻。鳥、モモンガなど空に関わる動物だけでなく、イルカやペンギンもいました。作品の多くは原寸大。そうでない場合も、実物と同じ比率で作られています。
北海道で暮らして15年以上が経った今。あたりまえのことながら、私の故郷である九州との違いはたくさんあります。気温、湿度、風のにおい、日の出の時間、動植物の種類。いまだに新しい発見が尽きません。
空もそのひとつ。あるとき人と話していて、「北海道は空の色が違う気がする」となんの気なしに口にしたら、「自分もずっと思っていたの!」と、思いがけない反応があったのです。
そこからは、空の話でひと盛り上がり。透明感が違う、ずっと広く高く見える。遮るものがあまりないからか、雲が面白い形をしているような。果ては、冬の空にV字模様を作って飛んでいく白鳥やタンチョウの話にまで話題が広がっていった思い出があります。
■好奇心と構造力学的視点から生まれるモビール
早見さんが自宅と工房、ギャラリーを構える場所には、豊かな緑と地下水が湧き出る2つの池があります。「針葉樹と広葉樹を混ぜて植えたからか、他のところでは見られないような鳥が来るようになったんです」。70種類を超す鳥や、庭の木々の間を滑空して移動するモモンガなど、早見さんの好奇心を刺激する存在はすぐ身近にいます。
写真上/丁寧に形づくった小さなパーツを精密に組み合わせることで、作品に命を吹き込んでいきます。
繊細なノミ跡から伝わってくるのは力強い生命力。複数のパーツを驚くべき正確さと繊細さで組み合わせ、形作られていきます。そしてモビール作品の最大の特長といえるのは、思わず見とれてしまうくらいに自然で有機的な動きです。この動きを出すために、オリジナルで錘を作ったのだとか。構造力学的な視点が加わることで、早見さんの作品は、よりいきいきと、空を舞うことができるのです。
向きを変え、上下運動を繰り返しながら、わずかな風をつかまえてゆぅらりと回転するモビール。そこには、ただただ自由な世界がありました。
■商品紹介 モモンガモビール
「空飛ぶハンカチ」とも呼ばれる小さなモモンガ。ほぼ原寸サイズです。工房の庭で滑空するところをよく見かけるのだとか。風をつかまえて空中散歩を楽しんでいるような雰囲気。ちょっとコミカルな動きも愛らしい作品です。
天井や梁に、ご自身で用意していただいた金具などを取り付け、テグスの先端の輪をかけて設置してください。
写真上/尾は磁石で簡単に取り付けられます。
写真上/表面の凹凸も、すべて手作業で仕上げています。
■作り手 工房zbiyak(ズビヤク)(東川町)
代表の早見さんは大阪府出身。自らを「工作少年出身」と称するほど、ものづくりが大好き。北海道で暮らすために木工作家の道を選んだそう。「今ちょうど新作を作っていてね。まだ内緒」。ふふっと笑うお茶目なところにも、モビールをちょんと触って動きを確かめる仕種にも、とても親しみが持てます。
■商品詳細
商品サイズ:
・モモンガ/25cm
・全体径/60cm
・全長/40cm〜(調節可)
商品素材:クルミ、バランス錘(黄銅)、植物系オイル塗装
備考:
※手づくり品のため、掲載写真とは多少異なる場合があります。
■取り出す際のご注意
・頂点の紐をゆっくりと慎重に持ち上げ、所定の場所に吊るしてください。
・テグスが絡んでいる場合は、ほぐしてから持ち上げてください。
・胴や頭はテグスに接続されています。磁石部分をジョイントするだけで完成します。
■宅急便100サイズ発送(常温)
1点まで同一の送料でお届けします。
■お届けまでの時間目安
ご入金確認後5営業日で発送予定。
※在庫がない場合は1ヵ月ほどお待ちいただくことがあります。
■熨斗
対応可
対応可能な熨斗は以下の通りです。ご希望の方は備考欄に記入してください。
・祝い熨斗 紅白蝶結び