2021 Mar
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恵庭幼稚園×北清建設-1

薪ストーブが教えてくれたのは、 未来に繋がるたくさんの可能性

優しさいっぱいの温もりに抱かれるようにして、子どもたちが遊んでいる。キャッキャッと高く響く笑い声。その向こう側で、オレンジ色の炎がどこか楽しげに揺らめいた。

ここは、恵庭市の中心部に佇む恵庭幼稚園。正面玄関を入ってすぐ、左手側のスペースに立派な薪ストーブが設置されている。数年前まで、恵庭幼稚園の暖房設備は一般的な化石燃料を使ったものだった。それが大きく変化し始めたのは、2008年のこと。ひとつの出会いが起点になっている。

恵庭幼稚園の園長、井内聖さんと、市内の建設会社、北清建設の代表を務める相澤裕二さん。相澤さんの娘が恵庭幼稚園に入園したことがきっかけとなり、2人は親交を深めていくこととなる。いくつもの偶然が重なった末に繋がった縁。ここからさらに、さまざまな人やモノが繋がり出し、大きな流れをつくることになろうとは、当時の2人は夢にも思っていなかっただろう。

2004年から上昇傾向にあった原油価格は、2008年に史上最高値を記録した。経費負担が跳ね上がったことはもちろん、折からの環境問題に対して危機感を抱いていたこともあって、井内さんの中には「このまま化石燃料を使用し続けてもよいのだろうか」という疑問がフツフツと湧き上がってきたそうだ。手始めに、各家庭から使用済み家庭油を回収し、バイオディーゼル燃料(BDF)として送迎バスに使用することからスタートした。しかし、BDFはその特性上、冬期間は使用できない。結局冬の間、バスは軽油を使って運行し、園内も重油ボイラーによる全館暖房の状況が依然として続くことになる。冬でも化石燃料に頼らずに済む方法はないものか。そうして思い至ったのが、「薪ストーブ」だった。

「でも、薪ストーブを使っている幼稚園なんて聞いたことがありませんよね」。恵庭幼稚園の薪ストーブがあまりにも自然にその空間に馴染んでいたために考えもしなかったが、確かにその通りだ。防火管理が厳しい幼稚園で、直接火を焚いて暖を取るなどという方法を、あえて選択するとは考えにくい。火災や火傷の危険がどうしても付いてくる上、燃料となる薪をいかにして継続的に確保するかも大きな課題だ。「アイデアはあっても、実現できるかどうかわかりませんでした」と井内さんは当時を振り返る。ーつづくー(取材・文/家入明日美 撮影/菅原正嗣)

■恵庭幼稚園×北清建設-1
■恵庭幼稚園×北清建設-2
恵庭幼稚園×北清建設-3
恵庭幼稚園×北清建設-4

話の主は…

恵庭幼稚園×北清建設

学校法人リズム学園恵庭幼稚園

恵庭市大町4丁目1-11 TEL.0123-33-2541

http://www.eniwa-youchien.com

有限会社 北清建設

恵庭市黄金南3丁目1-17 TEL.0123-33-2032

http://www.hokusei-kensetsu.com

きょうの話は…

雑誌「northern style SLOW」vol.46 winter 2016より

https://www.n-slow.com/books/books-725

※「northern style スロウ」は、2004年に創刊した北海道発の季刊誌です。
大自然の恩恵を受けながら、丁寧に心豊かに暮らしている人々を、これまでにたくさん取材してきました。
できるだけ多くの方々に伝えたくて、少しずつですがWeb Magazineで紹介していきたいと思います。
毎週月曜日に1話ずつ。ぜひお楽しみください。
http://www.n-slow.com/concept

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