2021 Mar
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暮らしを創造する愉しみ

この10年の間に、ナオさんの仕事もずい分変わってきた。今でこそ、苗や雑貨を販売したりカフェを開くなどさまざまな展開をみせているが、最初から具体的な構想があったわけではない。地元で農業資材を扱う企業にパートタイマーとして勤めながら、やりたいことを模索してきた。

まず取り掛かったのは、家畜を飼うこと。「田舎でないとできないこと」は何かと考えてのことだった。牛か、豚か、羊か。牛を飼えば牛乳代が浮くし、豚を飼えば肉にできる。「そんな感じで、ふんわり考えていた」ところに、近所から譲ってもらえることになったのが羊。「今思えば羊で良かった。牛は大きくて大変だし、豚は一度に20匹も子どもを産むから。何と言っても、敷地が限られているので」。そういうわけで、林田家には常時23頭の羊がいる。敷地内を区切って順繰りに放牧させ、春先に刈った毛で糸を紡ぐ。時には肉になって、食卓に上ることもある大事な家畜だ。

それから畑。ナオさん自慢の8区画畑では、「向いている作物」を育てている。向いているというのには、いくつかの意味がある。気候的に栽培しやすいこと、ナオさんが好きなもの、家族が喜んでくれるもの。「タマネギも育ててるんですけど、最初はこんな(ピンポン玉サイズ)のしか収穫できなくて。それが最近では、パークゴルフボールくらいのサイズになったんです!」。今年はもっと期待できるかも、と意気込みを語る。

土に入れるのは羊の堆肥だけで、農薬も化学肥料も使わない。うまく育たないこともあるし、ネズミに齧られたりして満足に収穫できないこともある。「毎年試行錯誤です。本に書いてあっても、やってみないとわからない。春から一生懸命やってきたことが全部無駄になって呆然とすることもありますが、それでいいかなってスタイルでやってます」と、実に軽やか。収穫したものは家族の食卓に上る。2017年にカフェを開いてからはメニューの材料にも使うようになり「一歩前進かな」。ーつづくー(取材・文/家入明日実 撮影/菅原正嗣)

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話の主は…

kokochi屋

当別町金沢1692-2

TEL.090-8907-9297

営業時間/10001700

4月末~ 11月中旬頃までのオープン。

 カフェのランチは土・日曜のみ。

きょうの話は…

雑誌「northern style SLOW」vol.56 Summer 2018より

https://www.n-slow.com/books/books-9898

※「northern style スロウ」は、2004年に創刊した北海道発の季刊誌です。
大自然の恩恵を受けながら、丁寧に心豊かに暮らしている人々を、これまでにたくさん取材してきました。
できるだけ多くの方々に伝えたくて、少しずつですがWeb Magazineで紹介していきたいと思います。
毎週月曜日に1話ずつ。ぜひお楽しみください。
http://www.n-slow.com/concept

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