鹿追町の小さな出版社たち-4
ちなみに、ここまで紹介してきた4人のお母さんたちは全員鹿追町の笹川という地区に住んでおり、子どもたちが同じ学校に通う保護者同士でもあります。いつの頃からか「てるみーず」という名前の会を作り、毎年11月に開催される地域の学習発表会で絵本を発表してきました。
3年前には、笹川小学校の家庭教育学級の活動としてお母さん10人が力を合わせ一冊の大きな絵本を作り上げたのだそうです。小学校の敷地内に立つ大きなモミジの木「もみじぃさん」が全校生徒13人(当時)の子どもたちの1年間を見守る、というストーリーです。一人のお母さんがひと月分の2ページを担当し、全部で12ヵ月。運動会や学芸会のほか、子どもたちの日常生活を切り取った写真をたくさん貼り付けました。その大きな絵本は、笹川の住民みんなの宝物となっています。
さて、お母さんの紹介は続きます。次に紹介する二人は、まだ字も読めないくらいの小さな子どもを持つお母さんです。
広瀬久美子さんは、「大人になってからも買い漁った」というほど絵本が大好き。鹿追図書館の絵本作り教室を知るや否や、すぐに申し込み、長女の彩ちゃんを抱き抱えながら教室に通いました。「彩の誕生日にプレゼントしたら、それから毎日のように『読んで読んで』って言ってくれますね。子どもって写真が好きだから、自分が載っているのが嬉しいみたりするウサギの絵が描かれたこの本は、彩ちゃんにとって特別な一冊のようです。ーつづくー(「スロウ vol.31」2012年春号掲載)
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