2019 Apr
23

家づくりは暮らしづくり-1

お施主さんと設計士さんのステキな関係

川のほとりにある小さな町の、ちょっと小高い住宅地の端っこに、大島さんの新しい家が建ちました。真っ黒な外観からもわかるように、そんじょそこらの家とは一味も二味も違います。1つひとつなぜなのかと尋ねたら、その質問はそのまま、暮らし方に対する繁樹さんと美奈子さんの信念を尋ねるようなものでした。

例えば、新しい家には子ども部屋にドアが見あたりません。

「それぞれの生活を程よくオープンにしたいんだよね。そうすれば、自分で工夫するじゃないですか。例えばだけど、男の子だったらエロ本を隠したりとか。今の子どもたちは、部屋に鍵があってテレビもついていたりする。でも、そうじゃなくて、人へ配慮しながら工夫して生活する、その術を家庭で学ぶっていうかね(繁樹さん)」。

それから、いずれは両親を呼んで2世帯で暮らす予定だというこの33坪の平屋は、決して広いとはいえません。

「いかに小さくするか、かつ狭さを感じさせないかっていうのが課題だった。前の家みたいに、手を伸ばせば色んなものに届く距離。家族が小さくまとまっている感じが心地よくて。広すぎて、家の中で家族がバラバラなのはいや。私達に広さは必要ないんです(美奈子さん)」。

まるで車を買うように家を手に入れる人たちがいるけれど、そうじゃない。家はつくるものなんだ、と二人は言います。例えばモデルルームのように、既に決まった形の家に自分達の暮らしを合わせるのではなく、家は自分たちの暮らしに合わせてつくるものだから、と。

とはいっても、さすがに頭の中のイメージを映し出すための知識や技術を持ち合わせているわけではないので、そこは専門家の力を借りなければならないところ。繁樹さんと美奈子さんの場合、その舵取りをまかせられるような、とっても心強いパートナーに出会えたことが、家づくりの始まりでした。ーつづくー(「スロウvol.15」2009年春号掲載 写真/高原 淳)

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話の主は…

かめ設計室

kamedesign.net

きょうの話は…

雑誌「northern style SLOW」vol.15 early summer 2008より

https://www.n-slow.com/books/books-225

※「northern style スロウ」は、2004年に創刊した北海道発の季刊誌です。
大自然の恩恵を受けながら、丁寧に心豊かに暮らしている人々を、これまでにたくさん取材してきました。
できるだけ多くの方々に伝えたくて、少しずつですがWeb Magazineで紹介していきたいと思います。
毎週月曜日に1話ずつ。ぜひお楽しみください。
http://www.n-slow.com/concept

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